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投資信託選びは信託報酬と、マザーファンドの総資産額のチェックだけでいい

 投資信託には、たくさんの数字があります。初心者の方は、聞いたことのない数字ばかりで戸惑うかもしれません。

 ただ、投資信託を選ぶ際に必要な数字は、2つしかありません。この記事では、その2つの数字を使った、シンプルな投資信託の選び方を解説します。

  • 投資信託には、聞いたことのない名前の数字がたくさんある
  • 投資信託選びに必要な数字は2つしかない
  • 必要な数字を使った、投資信託の具体的な選び方

投資信託には、聞いたことのない名前の数字がたくさんある

 投資信託には、まず、「販売手数料」という数字があります。販売手数料とは、投資信託を購入する際に投資家が支払う手数料のことです。最近は、「購入時手数料」と表記されていることもあります。

 次に、「信託報酬」という数字があります。信託報酬とは、投資信託の運用にかかわる、金融機関に支払う手数料のことです。投資信託の運用にかかわる金融機関とは、販売会社・運用会社・信託銀行の3つです。

 そして、「信託財産留保額」という数字があります。信託財産留保額とは、投資家が投資信託を解約する際のコストを、「解約する投資家自身に負担」してもらうための手数料です。投資信託を解約する際のコストとは、投資家に払い戻すお金をつくるために、ファンドの一部を売るための手数料です。

 こういった数字の中で、投資信託選びに必要なのは2つしかありません。


投資信託選びに必要な数字は2つしかない

 投資信託選びに必要な数字のチェックポイントは、まず、「信託報酬の安さ」です。信託報酬は、もっとも重視すべき手数料です。なぜなら、信託報酬は、「投資信託を持っている間ずっとかかるから」です。信託報酬は、日割りで毎日、自動的に支払われます。例えば、信託報酬が年1%の場合、毎日、0.00274%(=1%÷365日)支払われることになります。

 次のチェックポイントは、「マザーファンドの総資産額の大きさ」です。なぜ、マザーファンドの総資産額が大切かを説明する前に、まず、マザーファンドとは何か?から解説します。マザーファンドとは、投資方針が同じファンド(これを「ベビーファンド」といいます)の資金を、ひとつにまとめて運用するファンドのことです。わざわざマザーファンドに資金をまとめるのは、大きな額にした方が効率的に運用できるからです。投資家が買えるのは、上記のベビーファンドだけです。

 マザーファンドの総資産額が大きいファンドを買えば、運用が途中で終了されにくいです。運用が途中で終了される主な理由は、「総資産額が少なくなりすぎたから」です。総資産額が少なくなりすぎると、効率的に運用できなくなるため、運用を終了するのです。ですから、あらかじめ総資産額が大きいものを選ぶことで、運用の終了を避けることができます。

 なお、ベビーファンドの総資産額が少なくても、マザーファンドの総資産額が大きければ問題ありません。結局マザーファンドに集めて運用されるからです。

 これらの数字を使って、投資すべき投資信託を実際に選んでみます。この手順を知っておけば、今後、新しい投資信託が発売されても、あなたがご自分で投資信託を選べます。


必要な数字を使った、投資信託の具体的な選び方

最適な投資信託を選ぶには、まず、モーニングスターで、信託報酬がもっとも安い投資信託を調べます。
ア. 信託報酬が安いインデックスファンドをピックアップします。
まず、モーニングスターのサイトにアクセスして、「詳細条件でファンドを検索」をクリックします。
詳細条件でファンドを検索をクリック
次に、「カテゴリー」から、探したい投資対象をクリックします。
ここでは、例として、国内株式を選びます。一番上の項目の「国内株式型」を選択します*1
*1 外国株式を探す場合は、「国際株式・グローバル・除く日本(為替ヘッジ無)」を選択、国内債券を探す場合は、「国内債券型」を選択してください。
国内株式型をクリック
そして、ファンドの種類で、「ETF・DC専用・SMA専用を除く全ファンド」のチェックボタンをチェック、インデックファンド区分で、「インデックスのみ」を選択します。
各条件を追加
下にスクロールして、「検索」をクリックします。
検索をクリック
検索結果が表示されたら、「信託報酬等(税込)」をクリックして、信託報酬が安い順に並べ替えます。
信託報酬等(税込)をクリック
イ. 望ましくないものを除外して、上位3ファンドまでしぼり込みます。
まず、国内株式の場合は、「日経」と名前の付いたものは除外します。
日経と書かれているものは、日経平均株価に連動するインデックスファンドなので除外します。日経平均株価連動のものを除外するのは、TOPIXに連動するインデックスファンドの方が投資銘柄数が多いため、広く分散投資できるからです(TOPIX連動の投資銘柄数:約1700・日経平均株価連動の投資銘柄数:225)。
次に、販売会社が2つ以下のものは除外します。
2つ以下のものを除外するのは、あまりに販売会社が少なすぎると、販売会社選びがかなり限定されてしまうからです。また、投資家が買いにくいため、総資産額がなかなか増えない可能性が高いのも理由のひとつです。
例では、以下の3ファンドが候補に残りました。
  • 三井住友・DCつみたてNISA・日本株インデックスF(←Fはファンドの略です)
  • eMAXIS Slim国内株式インデックス
  • iFree TOPIXインデックス
次に、上位3つのマザーファンドの総資産額を調べます。
3つだけなのは、マザーファンドの総資産額を調べるのは、少し手間がかかるからです。
ア. 運用会社のホームページにアクセスします。
運用会社のホームページは、銘柄名でgoogle検索をすれば、だいたい一番上に表示されます。
三井住友・DCつみたてNISA・日本株インデックスFの検索結果
イ. 請求目論見書を開きます。
三井住友・DCつみたてNISA・日本株インデックスファンドは、下のリンクの先に請求目論見書が置かれていました。
請求目論見書の場所
ウ. マザーファンドの総資産額を確認します。
請求目論見書の「第二部【ファンド情報】> 第3【ファンドの経理状況】」の中に参考情報として、マザーファンドの総資産額が書かれています。
マザーファンドの総資産額が書かれている場所
マザーファンドの総資産額は、「貸借対照表」という表で表示されています。三井住友・DCつみたてNISA・日本株インデックスファンドの場合、第3【ファンドの経理状況】の9ページ目(請求目論見書の46ページ)に、マザーファンドの貸借対照表がありました。三井住友・DCつみたてNISA・日本株インデックスファンドのマザーファンドは、「国内株式インデックス・マザーファンド(B号)」という名前のようです。
マザーファンドの貸借対照表
貸借対照表の「純資産合計」という項目の数字が、マザーファンドの総資産額です。マザーファンドの総資産額は、1,000億円を超えていれば問題ありません。
純資産合計がマザーファンドの総資産額
請求目論見書の中には表がたくさんありますので、マザーファンドの表であることをしっかり確認して、マザーファンドの総資産額の数値を入手してください。特に、「ベビーファンドの貸借対照表を、マザーファンドの貸借対照表と間違えない」ようにしてください。上に「参考」と書いてある貸借対照表が、マザーファンドの貸借対照表です。
上に参考と書かれている貸借対照表

 例では、以下のように情報が集まりました。

銘柄名 信託報酬
(税抜)
マザーファンドの総資産額
eMAXIS Slim 国内株式(TOPIX) 0.159% 273,876,513,846円
(約2,739億円)
三井住友・DCつみたてNISA・日本株インデックスF 0.160% 193,025,304,350円
(約1,930億円)
iFree TOPIXインデックス 0.170% 136,708,378,941円
(1,367億円)

 現在は、eMAXIS Slim 国内株式(TOPIX)に投資すればいいとわかりました。






「おすすめ投資信託」を解説した記事はこちら
>>http://toshin.teiiyone.com/cat98/




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